3年で3割の新入社員が辞めてしまうという早期離職問題。
「優秀な人材が定着しない」と頭を悩ませていませんか?
採用コストや教育の労力を考えると、離職を抑えることが利益につながることがわかります。
今回は離職率を下げるために何ができるかを考えていきましょう
初回の勤務が大事
初回の勤務は非常に重要です。
アルバイトしていた時代を思い出してみてください。初回の勤務は大変緊張するものです。「業務は辛くないか?」「上司に嫌なことをされないか?」「友達はできるか?」などなど。様々な懸念を排除する必要があります。
従業員が暖かく迎え入れる体制を整える
求職者が一番懸念していることは「人間関係」です。同僚が一言話しかけてくれるだけでグッと安心感が増します。
初回の勤務日は、既存の従業員にアナウンスし積極的に話しかけるように指示を出しましょう。また、「休憩時間を共に過ごす」「食事を共に済ます」なども非常に有効です。
仕事をきちんと教える
やりながら学ぶOJTという教育方式が主流ですが、新入りにとっては負担となることが多いです。「やればわかる」「習うより慣れろ」などの考えは禁物です。
参考:3年間で離職率が劇的に改善! レオパレス21はなぜ変われたか?
スケジューリングする
「いつ」「誰が」教えるかを明確に決め、常に指導が出来る人を付けましょう。自分が教えるか、安心して任せられて愛想の良い先輩スタッフが良いでしょう。
新人研修をマニュアル・リスト化
出来れば教える内容をマニュアル化し、チェックリストを作っておくと漏れ無くダブり無くスムーズな新人研修ができます。また、教育を他の先輩スタッフに引き継ぐ時にも便利です。また人数が多くなってきた場合、先輩スタッフに「新人研修のやり方」を教えたりマニュアル化する必要も出てくるでしょう。
「なぜそれをする必要があるのか?」理由を沿えて教える
教え方にもコツが必要です。それは、「指示」と「理由」をセットで伝えることです。「なぜそれをやるのか」の理由をしっかりと伝えることによって、その仕事の重要度が伝わります。
他にも実践できることはたくさんあると思います。大事なのは「アルバイトの新人の立場に立って考える」ことです。是非実践してみてください。
困った社員や先輩がいないか?
パートやアルバイトが職場を辞める理由で一番多いのは「職場の同僚や仲間との人間関係が悪くなったとき」です。
離職率が高い(定着率が悪い)場合は、このような困った先輩がいないか見直してみましょう。このような人は自分の先輩には「いい顔」をしていて、気づかないことが多いです。
普段から目配りをし、後輩に耳を傾けるのが良いでしょう。
もし困った社員や先輩がいた場合は、その人の対応を改善する必要があります。最悪の場合、退職してもらうことも考える必要が出てくるでしょう。
モチベーションを上げる&下げない
モチベーションを上げることで離職率を下げる(定着率を上げる)ことができます。
仕事に対してのモチベーションというのは人によって異なりますが、モチベーションの増減は職種によってある程度の傾向があります。
ここで平均的なモチベーションの増減に影響するデータをご紹介します。
モチベーションが上がるときランキング
1位.給与をもらったとき
2位.その仕事を通じて、人の役に立っていると感じられたとき
3位.お客さんが喜んでくれたとき公開!職種別モチベーションが上がるとき、下がるとき
モチベーションが下がるときランキング
1位.職場の同僚や仲間との人間関係が悪くなったとき
2位.お客さんに怒られたり、無視されたとき
3位.上司や社員に、仕事について注意されたり怒られたりしたとき公開!職種別モチベーションが上がるとき、下がるとき
アルバイトの正社員化を進める
アルバイトを正社員化することによって定着率が上がり、採用コストが下がった事例もあります。
他にも
- 責任が増す為、モチベーションが上がる
- 安心して仕事を任せられるようになる
といったメリットが発生することもあります。
個人面談を導入する
できれば従業員から「辞めたい」という言葉が出てこない職場が望ましいです。なぜなら「辞めたい」と言わずに出勤日に来ず、連絡をしても連絡が取れない、いわゆる飛んでしまう可能性もあるからです。
「辞めたい」と思わせない為には従業員と定期的な1:1の個人面談を導入し、不平不満を訊いておくことです。
注意点としては、「直接言えないこともある」ということです。普段から目配り気配りをする。匿名性のご意見箱を設置するなどの対策が有効でしょう。
給与や福利厚生に不満はないか?
まずは給与や福利厚生が適切かどうかを確認しましょう。比べるべきは競合他社です。転職・求人情報サイトなどを利用し、競合他社の給与をリサーチしましょう。
労働時間、休日・休暇は適切か?
労働時間の見直しを行いましょう。過剰な場合は改善が必要です。
主な改善方法は以下です
- 業務の見直しとカット
- 業務の効率化
- 従業員の増員
キャリアアップ制度があるか?
人は「先が見えない」と不安を感じるものです。よって会社が好きで仕事にやりがいを感じていても、自分が成長していたりキャリアアップしていくプランが見えなければ、人は退職の道を選びます。
社内FA制度や自己申告制度などを利用して、自らが活躍できる雰囲気を作っていくことが重要です。
新入りを歓迎するムードが会社にあるか
職場にて良い人間関係が構築されているかが、定着率やモチベーションに大きく影響します。
個人面談などを実施し現場の意見を吸い上げ随時職場改善を行っていくことが重要になります。
離職率を下げる(定着率を上げる)ことの3つのメリット
1.求人広告費を抑えることができる。
人が辞めれば求人広告を出さなければいけません。1人採用するのにどれくらいのコストがかかるか計算をしたことはありますか?1人採用するのにかかるコストのことを「採用単価」と言います。採用単価の求め方は次の通りです。
採用単価 = 求人広告費 ÷ 採用人数
自社の広告費はどれくらいかかってますか?予想以上にかかってるのではないでしょうか?
人がやめるということはそれだけコストがかかるということなのです。
2.新人教育にかかるコスト、時間、手間、人手を抑えることができる
採用した後にも見えにくいコストがかかっていることはご存知でしょうか?例えば時給1000円の既存スタッフに新人教育をさせたとしたら、1時間あたり1000円のコストがかかっていることになります。それが8時間だとしたら8000円のコストがかかります。それを10人に教育したとしたら8万円のコストがかかっていることになるのです。
3.従業員のスキルの平均レベルが上がり、サービスのクオリティが上がる。
従業員が長く勤めれば長く勤めるほど、個々の能力やスキルは上がっていき、平均的なレベルも上がっていきます。するとどうなるでしょうか?
接客業であれば、お客様により上質なサービスを提供することができますし、事務系であればより早くてクオリティの高いパフォーマンスを上げることができます。
サービスの質が上がれば売上げアップにも繋がりますし、スピードが上がれば費用対効果が上がり、利益のアップに繋がります。
「辞めたい」と言われたら
従業員から「辞めたい」と言われたらチャンスです。
きちんと時間を取り「辞めたい」理由を訊きましょう。
ここでしっかりと理由を訊いておくことによって、職場の問題点を発見することができます。
問題点を発見し改善すれば、「辞めたい」と言ったスタッフが継続してくれるかもしれませんし、今後の従業員にとってもより良い職場改善となります。